こんにちは。
この記事は「小規模事業者持続化補助金」の事業計画書の書き方を分かりやすくまとめた記事です。
中小企業診断士として独立し、
初めて支援した補助金申請は、ある業界向けに特化したLED照明の開発でした。
補助金コンサル歴11年になります。
これまでの採択件数は80件以上、採択率は「80%~90%」です(過去の採択実績はこちら)
Twitter(@KeisukeMatsumo7)
持続化補助金はこんな補助金です。
- 小さい会社向け
- 売上アップに必要な投資を補助
- 補助上限額 50万円
- 補助率 2/3
- 採択率 50~70%
ぶっちゃけ難易度は低いですが、コツを知らないと落ちます。
そこで、
私のノウハウを注ぎ込み、持続化補助金で採択される事業計画書の書き方をまとめました。
重要
この記事はこんな方におすすめです
- 初めて持続化補助金の申請にチャレンジする方
- 過去に持続化補助金に申請して採択されなかった方
- とりあえず申請書を書いてみたけど、これでいいのか不安な方
はじめに
持続化補助金に採択されるか否かは書類審査で決まります。審査される書類は、様式2-1の経営計画書と補助事業計画書です。
経営計画書に書くべき内容
経営計画書に書くべき内容は以下のとおりです。会社の現状を踏まえて、今後どのようなことに取り組んで売上を伸ばしていくかということを説明します。
経営計画書
- 企業概要
- 顧客ニーズと市場の動向
- 自社や自社の提供する商品・サービスの強み
- 経営方針・目標と今後のプラン
補助事業計画書に書くべき内容
補助事業計画書に書く内容は以下のとおりです。経営計画を踏まえて、補助事業としてどんなことに取り組み、どのような成果を獲得しようと計画しているのかについて書きます。
補助事業計画書
- 補助事業で行う事業名
- 販路開拓等(生産性向上)の取組内容
- 業務効率化(生産性向上)の取組内容(任意)
- 補助事業の効果
計画書を作る前に必ず確認しておきたい「審査の観点」
審査官が経営計画書と補助事業計画書のどこを評価しているのかについては、募集要項の中の「審査の観点」に書かれています。「審査の観点」は、
- 基礎審査
- 書面審査
- 政策加点審査
の3つに大別されますが、大事なのは「書面審査」です。
「書面審査」で示されている審査項目は以下の通りです。
経営計画書・補助事業計画書について、以下の項目に基づき加点審査を行い、総合的な評価が高いものから順に採択を行います。
①自社の経営状況分析の妥当性
○自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。
②経営方針・目標と今後のプランの適切性
○経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
○経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。
③補助事業計画の有効性
○補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか。
○地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
○補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。
○補助事業計画には、ITを有効に活用する取り組みが見られるか。
④積算の透明・適切性
○補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか。
○事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。
計画書を作成する前に、この「審査の視点」を必ず確認しておきましょう。
計画書を作るときのポイント「とにかく写真・イラストを使うこと」
文字ばかりの書類は何となく読む気になれないという人は少なくありません。それにいくら文章でお店の雰囲気や商品の質感を伝えようとしても読み手にはその良さが中々伝わらないものです。ですので、説明には写真、イラスト、図などをできるだけ多く使うようにしましょう。
店内の様子や商品の写真であれば、スマホで簡単に撮影できます。お客さんに喜んでいただいているということを伝えたい場合も単に言葉で説明するだけでなく、写真を使うことで印象に残りやすいので、なるべく写真を使いましょう。お客様が商品・サービスの存在をしってから購入に至るまでの流れや、業務の流れなどもイメージしやすいように極力シンプルな図にしておきましょう。
記載例
店舗の外観、内観、商品・サービスなどは、過去に撮った写真やこれからスマホなどで撮影したもので十分です。
イメージ写真は、無料の写真配布サイトで入手するのがおすすめですが、イメージに合った写真が見つからない場合は、Google画像検索から入手してもいいです。例えば、上の写真でビジネスマンがスマホを操作している写真がありますが、外出先でスマホから簡単に自社のホームページを見つけることができるということをイメージした写真ですが、「ビジネスマン スマホ」で検索して出てきた画像から拾っています。
計画書を作るときのポイント「見出しや箇条書きを使うこと」
長くてメリハリのない文章を読むのは疲れますよね。審査員に読むのが面倒だと思われないように、要所要所で見出しや小見出しを入れたり、箇条書きを使うようにしてメリハリをつけましょう。
改善前
WEBサイト訪問者にとって、見やすい、分かりやすいサイト構成やデザインにすることはもちろんのこと、購買意欲を高めるためにスマートフォンの情報を見て来店された取引先への手土産をお買上げのスーツ姿は通常価格より10%割引などのサービスを告知する営業マン応援キャンペーン、65歳以上のお客様には大阪市内であれば商品を無料でお届けする宅配サービスを告知するご高齢者向け御進物キャンペーン、健康に良いとされる当店自慢の抹茶もなかの割引セールを告知する健康食品週間キャンペーン、市内のお客様であれば、午前中に御注文いただければ当日中にお届けするキャペーンを告知する当日お届けキャンペーンといったキャンペーンを予定している。
読む気にならないですよね。これを見出しと箇条書きを使って書き直すと下のような感じになります。
改善後
(webサイトから来店および商品を購入していただくための工夫)
WEBサイト訪問者にとって、見やすい、分かりやすいサイト構成やデザインにすることはもちろんのこと、購買意欲を高めるために以下のようなキャンペーンを随時告知する。
●営業マン応援キャンペーン
スマートフォンの情報を見て来店された取引先への手土産をお買上げのスーツ姿は通常価格より10%割引などのサービスを告知
●ご高齢者向け御進物キャンペーン
65歳以上のお客様には大阪市内であれば商品を無料でお届けする宅配サービスの告知
●健康食品週間キャンペーン
健康に良いとされる当店自慢の抹茶もなかの割引セールの告知
●当日お届けキャンペーン
市内のお客様であれば、午前中に御注文いただければ当日中にお届けするキャペーンの告知
かなり読みやすくなったと思いませんか?
計画書を作るときのポイント「経営計画書と補助事業計画書に整合性があること」
経営計画書は、「今後、うちの会社はこういうことに取り組みますよ~」ということを書く書類です。補助事業計画書は、「経営計画書に書いた計画に取り組むにあたって、必要経費の一部を補助してください」ということを書く書類です。
したがって、経営計画書に書いた取組内容と補助金申請する取組内容に整合性を持たせる必要があります。例えば、経営計画書のほうで「お店の認知度が低いから、今後は認知度アップに取り組んでいく」としたうえで、補助事業計画書のほうで「認知度アップするためにホームページを立ち上げて、ネット広告を打っていきます」といった具合です。
下の図のように経営計画書と補助事業計画書で1つのストーリーが出来上がっている状態が望ましいです。
それでは次は経営計画書の書き方について見ていきましょう。