こんにちは。
補助金のコンサルティング歴は約10年です。
採択率は、約8割ほど。
今まで多くの中小企業・小規模企業を支援してきました。
設備投資、商品開発、技術開発、WEB制作など、今や多くの中小企業が新しいチャレンジに補助金を活用する時代です。
コロナ禍においてその傾向は一段と強まりました。
ですが、いっぽうで「補助金は難しい」という先入観から、まだ使ったことがないという会社もまだまだ多いのも事実です。
基本的なルールを知っておくと、募集要項の理解は早まります。
そこで、今回は補助対象経費の基本的な考え方について解説していきます。
基本ルール
補助事業に関係のない経費は対象外
補助対象経費となるのは補助金申請書に記載した事業計画書に関連する経費だけです。申請書に記載した事業計画と関係のない経費は補助対象外となりますので注意しましょう。
中古品は対象外
中古品は原則として補助対象外となります。
中古品が認められない理由
中古品は新品と違って、需要と供給で価格が動きますので、契約金額の妥当性を立証しにくく、また程度の悪い中古品を購入した場合、途中で設備が壊れてしまう可能性が高いためだと思われます。
例外あり
ただし、例外措置として中古品が認められている補助金も存在します。
補助金は後払い。だから資金繰りには要注意
補助金は実績報告を行い確定検査を終えてからの交付となります。
つまり、補助金は後払いです。
したがって、補助金が交付されるまでの間、必要経費はすべて手元資金から拠出する必要があります。
手元資金に余裕がなくて資金繰りが不安になるという場合は、あらかじめ金融機関に融資の相談を行いましょう。
例外あり
ただし、例外措置として前払いが認められている補助金も存在します。
契約は交付決定後、支払は事業実施期限の最終日まで
たまにこんな質問いただきます。
「こないだ機械を買ったんだけど、これって補助金でなんとかならないの?」
残念ですが、ほとんどの場合補助対象になりません。
補助対象とするためには、
- 交付決定以降に発注した経費
- 事業実施期限内に支払を終えた経費
である必要があります。
下の図は、補助金の一般的な流れですが、補助対象経費とするためにはStep4で契約から納品・支払までを完結させる必要があるということです。
例外あり
ただし、一部の補助金ではすでに使った経費も補助対象として認めている補助金も存在します。
消費税は補助対象外
補助金の対象になるのは税抜き価格のみで、消費税は除いて考えなければいけません。
税抜き1,000万円の設備を補助金で購入する場合
業者への支払額:設備代金1,000万円+消費税100万円=1,100万円
補助対象額:1,000万円
補助金交付額:1,000万円 × 1/2 = 500万円
自己負担額:500万円+消費税100万円=600万円
設備設置場所の整備工事、基礎工事に要する費用は対象外
大きな設備を導入・設置する場合、設備を置く場所に基礎工事を行う必要があるかもしれません。
あるいは設備を置くために建屋の拡張工事が必要になるかもしれません。
そうした基礎工事や拡張工事に掛かる費用は補助対象外となります。
パソコン、スマホ、タブレットなども原則対象外
パソコン、スマホ、タブレットなどは補助対象外です。
パソコン、スマホ、タブレットが補助対象外となる理由
パソコンなどは、汎用性が高く補助事業以外にも通常業務にも使いまわしがきくということで、補助の対象外となります。
ただし、機械制御のためだけに使うもので制御盤の中に組み込まれているパソコンなどは補助対象となる可能性が高いので、事務局に事前相談してみるといいと思います。
支払い方法は銀行振込のみと考えておいたほうがよい
補助金を活用する場合、経費の支払い方法は、銀行振込が大原則ですが、
少額(10万円以下)なら、現金払いを認めている補助金も少なくありません。
クレジットカード払いが認められている場合は、クレジットカードの引き落としが補助対象期間内に完了している必要があります。
手形払いを認めている補助金は私の把握している中では皆無です。
振込手数料を相手持ちにしない
銀行振込にかかる振込手数料は補助対象外です。
よくある勘違い
補助金に採択されたA社は設備業者のB社から税込1,100万円の設備を購入しました。
支払時、振込手数料500円をB社持ちとして、振込手数料込みで購入代金1,100万円をB社に振り込みました。
実績報告の際、1,100万円から消費税を差し引いた1,000万円を補助対象経費として報告したところ、補助金事務局から不備を指摘されました。
何がまずかったのでしょうか。
振込手数料込みで代金を支払った場合、振込手数料分を補助対象経費から差し引かれます。
つまり、
補助対象経費=総額1,100万円-消費税100万円ー振込手数料500円=999万9,500円
となり、受け取れる補助金が250円減額されます。
250円減額されたところで、金額的なインパクトはそう大きくないですが、書類が手間になります。
ですので、最初から振込手数料は別にすることをおすすめします。
最後に
今回は、10年間の補助金コンサルティングの経験の中で、お客様からよく聞かれる相談をいくつか紹介してみました。
補助対象になるかどうか、補助金の事務局に問合せしてみると、案外親切に教えてくれることが多いですので、わからないことがあったら、一人で悩まずすぐ問い合わせるのがベターです。
当社は補助金コンサルティングの依頼を承っております。ご興味のある方は、まず 補助金コンサルティングの依頼についてをご覧いただいたうえでお気軽にお問い合わせください(無料相談歓迎です)。