誰が申請できるの?
小規模事業者持続化補助金に申請できるのは以下の5つ全てに該当する企業です。
小規模事業者であること
小規模事業者の定義はコチラで説明しています。
組織の形態については、一般的に会社といわれる株式会社、合同会社はもちろんOKです。その他の法人としては、合名会社、合資会社、特例有限会社、企業組合、協業組合なども申請可能です。また個人事業主もOKです。ただし、以下に該当する方は対象外となります。
申請資格のない組織形態
- 医師、歯科医師、助産師
- 系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業水産業者についても同様)
- 協同組合等の組合(企業組合協業組合を除く)
- 一般社団法人、公益社団法人
- 一般財団法人、公益財団法人
- 医療法人
- 宗教法人
- 学校法人
- 農事組合法人
- 社会福祉法人
- 申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)
- 任意団体等
医療系、福祉系、農業系、宗教系、学校系の法人、社団法人、財団法人、任意団体はダメなようですね。あと、創業はこれからという人もダメなようです。
基本的には、「小規模事業者であること」という要件に当てはまっていれば、その他の4要件はクリアしていると思います。
その他の補助対象要件
商工会議所・商工会の管轄地域内で事業を営んでいること
原則として都および市の区域では商工会議所、町村の区域では商工会連合会が管轄しています。ほぼ全ての方がいずれかの管轄区域に該当すると考えられます。ちなみに商工会議所または商工会の会員になっているかどうかは問われません。
持続的な経営に向けた経営計画を策定していること
申請時に経営計画書を書いて提出しますので、それをもって策定していると判断されるので特に気にする必要はありません。
10か月以内の先行受付分で採択を受けていないこと
短いサイクルで何度も利用するのを禁止しているようです。10か月以上前に採択を受けた方はOKですが、最後に申請してから10か月経っていない方は申請不可です。ただし、申請したにも関わらず採択されなかった方は10か月の間隔を開けなくても大丈夫です。
反社会的勢力でないこと
反社会勢力及びその関係者とみられる方は申請できません。
どんな取り組みなら補助金をもらえるの?
募集要項には、次の全ての要件を満たす取組みが補助対象事業として認められるとされています。
- 補助対象経費の6分の1以上が、下記に示すA類型、B類型、C類型のいずれかの要件に合致していること
- 地道な販路開拓(生産性向上)のための取組みであること
- 国・県・市区町村などから、重複して補助を受けていないこと
- その他、募集要項に記載の要件を満たしていること
「販路開拓」という言葉は、主に公的支援機関ではよく使われる言葉なのですが、「売上アップ」のための取組みと読み替えても差し支えありません。
補助対象者となるための要件、A類型、B類型、C類型とは?
持続化給付金(コロナ特別対応型)では、補助対象経費に要件が設けられています。その要件とは次の3要件(A類型、B類型、C類型)のいずれか1つ以上の取組みに対して、補助対象経費全体の1/6以上を経費に含まれることです。
A類型:サプライチェーンの毀損への対応
顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発が該当します。
A類型に該当する取組事例
- 外部からの部品調達が困難であるため、内製化するための設備投資
- 製品の安定供給を継続するため、設備更新を行うための投資
- コロナの影響により、増産体制を強化するための設備投資
- 他社が営業停止になったことに伴い、新たな製品の生産要請に応えるための投資
B類型:非対面型ビジネスモデルへの転換
非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・ システム投資が該当します。
B類型に該当する取組事例
- 店舗販売をしている事業者が、新たにEC販売に取り組むための投資
- 店舗でサービスを提供している事業者が、新たにVR等を活用してサービスを提供するための投資
- 有人で窓口対応している事業者が、無人で対応するための設備投資
- 有人でレジ対応をしている事業者が、無人で対応するための設備投資
- 非対面型・非接触型の接客に移行するために行うキャッシュレス決済端末の導入
- デリバリーを開始するための設備投資(宅配用バイク等)
※単に認知度向上のためのホームページ開設は対象になりません。
C類型:テレワーク環境の整備
従業員がテレワークを実践できるような環境を整備する取組みです。
C類型に該当する取組事例
- WEB会議システムの導入
- クラウドサービスの導入
※補助対象期間内に、少なくとも1回以上、テレワークを実施する必要があります。
地道な販路開拓等(生産性向上)のための取組みとは?
補助対象となる販路開拓としては次のような取組みが示されています。
- 開拓する販路として対象とすることができる市場の範囲は、日本国内に限らず海外市場も含むことができる
- 消費者向け、企業向け取引のいずれも対象
- 開業したばかりの事業者が行う、集客・店舗認知度向上のためのオープンイベント等の取組も対象
- 本事業の完了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれる事業活動(=早期に市場取引の達成が見込まれる事業活動)
補助対象となり得る販路開拓の例
- 新商品を陳列するための棚の購入
- 新たな販促用チラシの作成、送付
- 新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)
- 新たな販促品の調達、配布
- ネット販売システムの構築
- 国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加
- 新商品の開発 ・新商品の開発にあたって必要な図書の購入
- 新たな販促用チラシのポスティング ・国内外での商品PRイベントの実施
- ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言
- 新商品開発にともなう成分分析の依頼
- 店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む。)
その他の要件について
その他の要件については、次のような要件があります。詳しくは募集要項をご覧ください。
ポイント
売上アップにつながりそうな取組みだったら、まずはOK!
補助対象経費
補助対象経費の考え方
補助対象となる経費は、次の条件をすべて満たす必要があります。
ここに注意
特例として、2020年2月18日以降に発生した経費も遡って補助対象経費とすることができます。ただし、支払については対象期間中に完了させる必要があります。
補助対象となる経費
①機械装置費
本事業を実施するにあたって必要な機械装置等の購入に要する経費が補助対象となります。通常の生産活動のための設備投資、単なる取替え更新は補助対象外です。汎用性があり目的外使用になり得るものも補助対象外です。
対象となる経費例
高齢者・乳幼児連れ家族の集客力向上のための高齢者向け椅子・ベビーチェア、衛生向上や省スペース化のためのショーケース、生産販売拡大のための鍋・オーブン・冷凍冷蔵庫、新たなサービス提供のための製造・試作機械(特殊印刷プリンター、3Dプリンター含む)、販路開拓等のための特定業務用ソフトウェア(精度の高い図面提案のための設計用3次元CADソフト、販促活動実施に役立てる顧客管理ソフト等)、自動車等車両のうち「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)」の「機械及び装置」区分に該当するもの(例:ブルドーザー、パワーショベルその他の自走式作業用機械設備)、管理業務効率化のためのソフトウェア
対象とならない経費例
自動車等車両(「減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)」の「機械及び装置」区分に該当するものを除く)、自転車・文房具等の事務用品等の消耗品代・パソコン・事務用プリンター・複合機・タブレット端末・ウェアラブル端末・電話機・家庭および一般事務用ソフトウェア(これらの支出は全て汎用性が高いものとして対象外となります。)、(目的・用途に関わらず)既に導入しているソフトウェアの更新料、(ある機械装置等を商品として販売・賃貸する補助事業者が行う)当該機械装置等の購入・仕入れ(デモ品・見本品とする場合でも不可)、単なる取替え更新であって新たな販路開拓につながらない機械装置等、古い機械装置等の撤去・廃棄費用(設備処分費に該当するものを除く)、船舶、動物
ここに注意
②広報費
パンフレット・ポスター・チラシ等を作成するため、および広報媒体等を活用するために支払われる経費。商品やサービスの販促のための広報は補助対象ですが、単に会社のPRにとどまる広報は補助対象外です。
パンフレット・ポスター・チラシ等については、実際に配布もしくは使用した数量分のみが補助対象となります。したがって、パンフレット・ポスター・チラシを制作したにも関わらず、実際に配布もしくは使用するのが補助対象期間より後になる場合は補助対象外となってしまうので要注意です。
対象となる経費例
ウェブサイト作成や更新、チラシ・DM・カタログの外注や発送、新聞・雑誌・インターネット広告、看板作成・設置、試供品(販売用商品と明確に異なるものである場合のみ)、販促品(商品・サービスの宣伝広告が掲載されている場合のみ)
対象とならない経費例
試供品(販売用商品と同じものを試供品として用いる場合)、販促品(商品・サービスの宣伝広告の掲載がない場合)、名刺、商品・サービスの宣伝広告を目的としない看板・会社案内パンフレットの作成・求人広告(単なる会社の営業活動に活用されるものとして対象外)、文房具等の事務用品等の消耗品代(販促品・チラシ・DMを自社で内製する等の場合でも、ペン類、クリアファイル、用紙代・インク代・封筒等の購入は対象外です。詳細は P.42 を参照ください。)、金券・商品券、チラシ等配布物のうち未配布・未使用分、補助事業期間外の広告の掲載や配布物の配布、フランチャイズ本部が作製する広告物の購入、売上高や販売数量等に
応じて課金される経費、ウェブサイトのSEO対策等で効果や作業内容が不明確なもの
③展示会等出展費
展示会への出展や商談会への参加に要する費用です。小規模持続化補助金で申請するケースはあまり見ないので説明を割愛します。詳細は募集要項を参照ください。なお、展示会出展については小規模事業者持続化補助金の他にも多数ありますので、別の補助金を使ったほうが良いかもしれません。
④旅費
事業の遂行に必要な情報収集(単なる視察・セミナー研修等参加は除く)や各種調査を行うため、および販路開拓(展示会等の会場との往復を含む。)等のための旅費が対象です。
対象となる経費例
展示会への出展や、新商品生産のために必要な原材料調達の調査等に係る、宿泊施設への宿泊代、バス運賃、電車賃、新幹線料金(指定席購入含む)、航空券代(燃油サーチャージ含む。エコノミークラス分の料金までが補助対象)、航空保険料、出入国税
対象とならない経費例
国の支給基準の超過支出分、日当、自家用車等のガソリン代、駐車場代、タクシー代、グリーン車・ビジネスクラス等の付加料金分、朝食付き・温泉入浴付き宿泊プランにおける朝食料金・入浴料相当分、視察・セミナー等参加のための旅費、パスポート取得料
⑤開発費
新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費が対象です。原材料は、広報費で制作するチラシ、パンフレットなどと同様に補助対象期間中に使ったものだけが補助対象で、購入したけど使わなかったものについては補助対象外となります。購入した原材料のうち、使った分と使わなかった分を識別するために実績報告時に受払簿を提出する必要があり、やや面倒になります。
あくまで試作のための経費であって、開発費で製作した試作品を販売することはできません。
対象となる経費例
新製品・商品の試作開発用の原材料の購入、新たな包装パッケージに係るデザインの外注、業務システム開発の外注
対象とならない経費例
文房具等の事務用品等の消耗品代、(開発・試作ではなく)実際に販売する商品を生産するための原材料の購入、試作開発用目的で購入したが使い切らなかった材料分、デザインの改良等をしない既存の包装パッケージの印刷・購入、(包装パッケージの開発が完了し)実際に販売する商品・製品を包装するために印刷・購入するパッケージ分
⑥資料購入費
事業遂行に必要不可欠な図書等を購入するために支払われる費用です。小規模持続化補助金で申請するケースをあまり見かけないのでここでは説明を割愛します。詳細は募集要項を参照ください。
⑦雑役務費
事業遂行に必要な業務・事務を補助するために補助事業期間中に臨時的に雇い入れた者のアルバイト代、派遣労働者の派遣料、交通費として支払われる経費です。小規模持続化補助金で申請するケースをあまり見かけないのでここでは説明を割愛します。詳細は募集要項を参照ください。なお、実績報告時に作業日報や労働契約書の提出が必要で事務処理が煩雑なため、少額であれば補助対象に含めることをあまりおすすめしません。
⑧借料
事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費です。小規模持続化補助金で申請するケースをあまり見かけないのでここでは説明を割愛します。詳細は募集要項を参照ください。
⑨専門家謝金
事業の遂行に必要な指導・助言を受けるために依頼した専門家等に謝礼として支払われる経費です。小規模持続化補助金で申請するケースをあまり見かけないのでここでは説明を割愛します。詳細は募集要項を参照ください。
⑩専門家旅費
事業の遂行に必要な指導・助言等を依頼した専門家等に支払われる経費です。小規模持続化補助金で申請するケースをあまり見かけないのでここでは説明を割愛します。詳細は募集要項を参照ください。
⑪設備処分費
販路開拓の取組を行うための作業スペースを拡大する等の目的で、当該事業者自身が所有する死蔵の設備機器等を廃棄・処分する、または借りていた設備機器等を返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費です。小規模持続化補助金で申請するケースをあまり見かけないのでここでは説明を割愛します。詳細は募集要項を参照ください。
⑫委託費
販路開拓の取組を行うための作業スペースを拡大する等の目的で、当該事業者自身が所有する死蔵の設備機器等を廃棄・処分する、または借りていた設備機器等を返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費です。小規模持続化補助金で申請するケースをあまり見かけないのでここでは説明を割愛します。詳細は募集要項を参照ください。
⑬外注費
上記①から⑫に該当しない経費であって、事業遂行に必要な業務の一部を第三者に外注(請負)するために支払われる経費(店舗の改装等、自ら実行することが困難な業務に限ります。)
対象となる経費例
店舗改装・バリアフリー化工事、利用客向けトイレの改装工事、製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事、移動販売等を目的とした車の内装・改造工事
対象とならない経費例
補助事業で取り組む販路開拓に結びつかない工事(単なる店舗移転を目的とした旧店舗・新店舗の解体・建設工事、住宅兼店舗の改装工事における住宅部分、既存の事業部門の廃止にともなう設備の解体工事(設備処分費に該当するものを除く)など)、「不動産の取得」に該当する工事
※補助対象になるか否か、判断が難しい場合は持続化補助金の事務局へ問合せをすることをおすすめします。
その他、補助対象外経費となるケース
- 補助事業の目的に合致しないもの
- 必要な経理書類を用意できないもの
- 原則、交付決定前(特例、2020年2月18日前)に発注・契約、購入、支払い(前払い含む)等を実施したもの
- 自社内部の取引によるもの
- 共同申請における共同事業者間の取引によるもの
- 販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費
- オークションによる購入(インターネットオークションを含みます)
- 駐車場代や事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
- 電話代、インターネット利用料金等の通信費
- 名刺や文房具、その他事務用品等の消耗品代(例えば、名刺のほか、ペン類、インクカートリッジ、用紙、はさみ、テープ類、クリアファイル、無地封筒、OPP・CPP 袋、CD・DVD、USB メモリ・SD カード、電池、段ボール、梱包材の購入などが補助対象外。)
- 雑誌購読料、新聞代、団体等の会費
- 茶菓、飲食、奢侈、娯楽、接待の費用
- 不動産の購入・取得費、修理費(ただし、設備処分費に該当するものを除く。)、車検費用
- 税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用および訴訟等のための弁護士費用
- 金融機関などへの振込手数料(ただし、発注先が負担する場合は補助対象とする。)、代引手数料、インターネットバンキング利用料、インターネットショッピング決済手数料等
- 公租公課(消費税・地方消費税は、(消費税等を補助対象経費に含めて補助金交付申請額を申請し、その内容で交付決定を受けた「免税事業者・簡易課税事業者の単独申請者を除き、)補助対象外とする。ただし、旅費に係る出入国税は補助対象とする。)
- 各種保証・保険料(ただし、旅費に係る航空保険料、展示会等出展で主催者から義務付けられた保険料に係るものは補助対象とする。)
- 借入金などの支払利息および遅延損害金
- 免許・特許等の取得・登録費
- 講習会・勉強会・セミナー研修等参加費や受講費等
- 商品券・金券の購入、仮想通貨・クーポン・(クレジットカード会社等から付与された)ポイント・金券・商品券(プレミアム付き商品券を含む)での支払い、自社振出・他社振出にかかわらず小切手・手形での支払い、相殺による決済
- 役員報酬、直接人件費
- 各種キャンセルに係る取引手数料等
- 補助金応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用
- 上記のほか、公的な資金の用途として社会通念上、不適切と認められる経費
中古品について
小規模持続化補助金では中古品の購入も補助対象となります(通常、中古品は補助対象として認められていません)。中古品を購入する場合は、購入金額によらず2社以上の相見積が必要となります。