こんにちは。
新型コロナの影響で、ECサイトやWEB集客に本格的に取り組んでみようという企業が増えています。
ですが、ホームページを立ち上げてもなかなか売り上げには結びつかないという方も少なくありません。
今日は、小さなお店(サービス業)を営んでいるAさんからの相談を参考事例として紹介したいと思います。
知っておきたい。売上発生までのメカニズム
営業活動を始めてからお客様から代金を頂くまで、一般的な営業の流れを確認します。
お客様への営業アプローチ件数
営業アプローチとは、チラシ、ダイレクトメール、テレアポなど、まだ接点のない見込み客に対して、最初の接点を作るための活動です。
「チラシを〇枚配布した」「ダイレクトメールを〇枚送った」「テレアポを〇件行った」など、営業アプローチの数を管理することが大切です。
なぜなら、営業アプローチ数だけは、努力次第で件数を増やすことも減らすこともができるからです。
お客様からの問合せ件数
「引合い件数」と呼ぶこともあります。
営業アプローチ件数に対する問合せ件数を反応率と呼びます。数式で表現すると、
反応率 = 問合せ件数 ÷ 営業アプローチ件数
となります。
お客様からの注文件数
「受注件数」と呼ぶこともあります。
問合せ件数に対する注文件数を受注率と呼びます。数式で表現すると、
受注率 = 注文件数 ÷ 問合せ件数
となります。
便宜上、今回は、営業アプローチ件数、問合せ件数、注文件数だけに絞って話をすすめます。
もうおわかりかもしれませんが、注文を増やすためには、
- 営業アプローチ件数を増やす
- 反応率をあげる
- 受注率をあげる
の3つの取組みがカギとなります。
これを今回のWEB集客でいうと、
という感じになります。
WEB集客においても、売上発生のメカニズムという原理原則をおさえたうえで改善に取り組むことが大切です。
相談者Aさんの問題点
さて、相談者Aさんは、お店のホームページのブログ記事をまめに更新はしているものの、どうやったら注文や問い合わせが入るようになるのかわからなくて困っているという状況でした。
現状をまとめると、下記のような状況でした。
- ネット広告は出していない
- お店のサービスに関係ありそうなネタで、その日思いついたことを記事にしている(検索ワードは意識したことがない)
- ひとりでも多くの人に申し込んで欲しいので、宣伝文句を入れるようにしている
- 自分のサイトに毎日どれくらいのアクセスがあるのか知らない(見方がわからない)
相談者Aさんの最大の問題点は、WEBサイトのアクセス状況を把握できていないことにあります。
アクセス状況を把握しないことには、WEBサイトの訪問者数が少ないのか、訪問者はいるのに申し込みにつながっていないのか、はっきりしないからです。
改善のポイント
改善のポイント① WEBサイトへのアクセス状況を把握する環境を作ること
「Googleアナリティクス」の導入をおすすめしました(無料で使えます)。
Googleアナリティクスを導入し、アクセス数を計測したところ、1日あたりの平均訪問者数は10人足らずであることがわかりました。
改善のポイント② 記事を検索結果に表示させること
当面は注文数や問い合わせ数を気にせず、まずはアクセス数を増やすことが先決です。
アクセス数を増やすためには、
- Googleの検索結果に表示されること
- クリックしてもらうこと
が必要です。
Googleの検索結果に表示されるためには、
- お客さんになりうる人が検索しそうなキーワードを選ぶこと
- そのキーワードを記事の中に意図的に含めること
などといった取り組みが必要です(他にもたくさんあります)
このようなGoogleの検索結果に表示されやすくする対策をSEO対策といい、SEO対策コンサルタントという職業が存在するほど奥の深いものです。
参考 SEOラボ(SEO対策とは?SEO対策で上位表示するための方法について)
なお、検索順位は上位であればあるほど、クリックされる確率が高いので、選んだキーワードで検索順位トップ10を目指してください
いっぽう、お金を払ってネット広告を出稿すれば優先して表示させることもできます。
ただし、ネット広告を出す場合にもキーワードを設定する必要はありますので、お客さんが検索しそうな最適なキーワードを選ぶ必要はあります。
参考 キーワードプランナー
キーワード検索あるいはネット広告によって表示された数をインプレッション数といいます。
WEBサイトが検索結果に表示されたときが、はじめてWEBサイトとお客様に接点が生まれるときなのです。
ちなみにインプレッション数はGoogleサーチコンソールというツールで確認することができます。
改善ポイント③ 検索結果に表示された記事へのリンクをクリックしてもらうこと
検索結果に表示された自分の記事をクリックしてもらうためには、
- 目にとまるタイトルであること
- 記事抜粋(リード文)が、続きを読みたくなる内容であること
が必要です。
参考 わかること!(上位表示だけじゃダメ!クリックされる記事タイトルの付け方と例)
なお、クリックされた数を先ほどのインプレッション数で割ったものをクリック率(CTR)といいます。
なお、記事は自分が書きたいことを優先するのではなく、お客さんが知りたい・学びたいことを優先して書くのが大切なのは言うまでもありません。
ここまでのことを実践することで、WEBサイトのアクセス数は徐々に伸びてくるでしょう。
個人的な経験則ですが、実際には記事を書くたびにアクセス数が徐々に伸びるというより、ある日突然ヒット記事が産まれ、その記事の賞味期限が切れるまでは、ヒット記事がアクセス数を下支えしてくれるような伸び方をすると思われます。
また記事を書くことでアクセス数が伸びるとモチベーションアップにもつながります。
アクセス数が増えた後は
WEBサイトへのアクセスが増えれば、注文も徐々に増えてくるでしょう。
次のステップは、WEBサイトへの訪問者数に対して申込件数の割合を増やすことです。これをCVR(コンバージョン率)といいます。
CVRもGoogleアナリティクスで計測することができます。
CVRを高めるには、記事にアクセスしてきた訪問者に対して、
- 訪問者の期待を裏切らない記事であること
- 訪問者にお店に対する興味・関心を持ってもらうこと
- 商品・サービスの内容や値段を紹介したページがすぐに見つかること
- 申し込みボタン、問い合わせボタンが容易に見つかること
が大切です(他にもたくさんあります)。
参考 Web creators manual(コンバージョン率を上げる40のポイント)
訪問者の期待を裏切らないことというのは言うまでもありません。検索結果に表示された記事タイトルと概要に惹かれてアクセスしてくれたのですから、その期待に応える記事でなければいけません。
記事に満足したかどうかを知るすべはありませんが、Googleアナリティクスで閲覧時間を確認することはできます。
閲覧時間が長ければ興味深く記事を読んだ可能性が高いですし、閲覧時間が短ければ期待に応える内容ではなかった可能性が高いと推測できます。
また直帰率という指標で推測することもできます。直帰率というのは、その記事だけを見て去ってしまった人の割合です。
直帰率もGoogleアナリティクスで確認できます。
直帰率90%であれば9割の人が他のコンテンツを閲覧することなく立ち去ってしまったということになりますし、直帰率30%であれば7割の人が他のコンテンツも見てくれたということになります。
訪問者ははじめは知りたい情報を取りにきただけですが、売上につなげるためには、ただ情報提供するだけでなくお店や商品・サービスに興味を持っていただく必要があります。
訪問者がお店に対して興味・関心を持つ要因としては、
- 記事の内容に満足した
- 記事の表現などから感じられる人柄(誠実、明るい、まじめ、etc)に好意を持った
- お店またはサイト管理者のプロフィール、実績を見て信用できると感じた
- 第三者の口コミ評価を見て信用できると感じた
- いろんなキーワードから何度もお店のWEBサイトを訪れた結果、気になりはじめた
など様々です。
そして、商品・サービス情報や申し込みボタンがすぐに見つかるようにWEBサイトをレイアウトすることも大切です。
まとめ
WEB集客であっても、売上アップのメカニズムという原理原則を踏まえることが大切です。
売上という結果だけを見るのではなく、売上発生に至るまでの過程を知るためのデータは何なのかを知り、ベンチマークしながら記事を書く必要があります。
キーワードプランナーを活用しながら、最適なキーワードを選択し、
- インプレッション数 → Googleサーチコンソールで確認
- クリック率 → Googleサーチコンソールで確認
- 訪問者数 → Googleアナリティクスで確認
- 閲覧時間 → Googleアナリティクスで確認
- 直帰率 → Googleアナリティクスで確認
- CVR → Googleアナリティクスで確認
こうしたデータを定期的に確認して、反応がよかった記事、反応がなかった記事について振り返りを行いながら、SEOに強い記事を量産していくことでアクセス数は次第に伸びていきます。