ここ数年、補助金コンサルタントが激増しています。
腕の良いコンサルから、素人コンサルまで玉石混交ですが、この記事を読んだ方が良いコンサルに巡り合えるように補助金コンサルの選び方について簡単にまとめました。
記事の信頼性
中小企業診断士として独立し、中小企業の経営支援をしています。
補助金コンサルの経験は10年になります。
これまでの採択件数は120件以上、採択率は「80%~90%」です。
>> 過去の採択実績はこちら
Twitter(@KeisukeMatsumo7)
補助金コンサルについて
補助金申請書(事業計画書)の作成を外部のコンサルにする会社は珍しくありません(というより、ほとんどの会社が外部に委託しています)。補助金申請を支援するコンサルは次のように分類できます。
- 中小企業診断士・行政書士・税理士等の公的資格を有する専門家
- その他、資格を持たずコンサルを行う人
- 公的機関、金融機関など支援機関に勤務する職員
このうち、補助金向けの事業計画書作成にもっとも慣れているのは中小企業診断士です。資格つながりの研究会や勉強会などで情報交換なども行っており、優秀なコンサルに巡り合える可能性が高いです。
最近は補助金コンサルを専門にするコンサル会社が乱立しています。こうしたコンサル会社は手広く広告宣伝を行うことで集客しますが、実務にあたるのは中小企業診断士になりたての新人など経験値の少ないコンサルであることが多いです。
事業計画書のテンプレートを入手して、テンプレートに情報を少し書き足すだけというコンサル会社も存在します。コンサル会社の中間マージンが大きく、優秀なコンサルは補助金コンサル会社の下請けで稼働することは基本的にしません。
そのため、優秀なコンサルタントに巡り合える可能性は低いです。
優秀なコンサルの見極め方
ネットを検索すると、採択率100%とか90%を謳う補助金コンサルが沢山出てきますが、大抵ウソです。もしくは分母が著しく小さいです(2件申請して2件採択とか)。
ですので、こうした甘い言葉を鵜呑みにしないでください。実績を確認したい場合は、過去の案件数と採択率を聞くようにしましょう。案件数は多いほど良いですが最低でも20件以上、採択率は70%程度あればOKです。補助金コンサル会社の実績ではなく、担当コンサルの実績です。
誰かにコンサルを紹介してもらうなら、紹介ルートは、機器メーカー(機械商社)の営業担当からの紹介が一番信頼できます。そのコンサルが営業担当者と長年タッグを組んでいるお抱えのコンサルなら尚良しです。
理由は、採択率の低いコンサルと組んでも営業担当にとって何のメリットもない(機械が売れない)ので、採択率の低いコンサルには声が掛からなくなります。そのため必然的に採択率の高いコンサルだけがお抱えのコンサルとして生き残る傾向があります。
あと優秀なコンサルでも同時に抱える案件数が多すぎるとキャパオーバーで品質は低下します。コンサルによって同時に対応できる案件数は異なりますが、目安として同時に3件以上受けているコンサルにお願いする場合、サポートが手薄になったり、事業計画書の作り込みが甘くなる可能性が高くなるので注意が必要です。
コンサルと契約する前に
補助金コンサルの契約条件は、多くの場合、「着手金+成功報酬」です。
着手金は、0円~20万円が相場です。着手金が20万円を超えるような場合は、成功報酬の料率を確認しましょう。
成功報酬は10~15%前後が相場ですが、補助金額が大きくなると報酬も膨大になるので、上限額を設けたり、高額の場合は率を下げたりして調整しているコンサルが多いです。補助金コンサル会社、税理士などが間に入ると中間マージンが発生し、成功報酬が15~20%になることもあります。
契約条件については報酬以外にいくつか注意点があります。
- 成功報酬が、採択金額の〇%になっている
- 採択後の事務処理のサポートがない
- キャンセルポリシーが不明確
ものづくり補助金や事業再構築補助金などの補助金では、実際に掛かる経費より少し大きめの見込み額で補助申請することが多いです。
見込み額に基づいて採択された金額を採択金額といいますが、実際に受け取る補助金よりも金額が大きいので、採択金額をベースに成功報酬が設定されていると見かけより高額の成功報酬を支払うことになります。成功報酬のベースを確認しましょう。
また補助金は採択された後の事務処理が大変ですが、採択後の事務処理は支援しない、または別途有償対応とするコンサルがいます。採択後のサポートの有無を確認しましょう。
コンサルとの契約後に状況が変わって補助事業を断念せざるを得ないことが稀にあります。その場合はキャンセルを申し出ることになりますが、キャンセルポリシーが不明確なためにコンサルとトラブルになることがあります。特に採択後、成功報酬の請求権が発生したあとのキャンセルは裁判沙汰になりかねないので、キャンセルポリシーについてもしっかり確認しておきましょう。