小規模企業持続化補助金(一般型)の申請書の書き方(2022年4月4日更新)

「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」について

強みの説明は超重要です。

 

「強み」とは何か?

こう考えてください。

お客さんがあなたの会社(お店)から買う理由

 

あなたの会社(お店)から商品を買う・サービスを利用するお客様は、なぜあなたのお店を利用したのかを考えてみましょう。ここで気を付けたいのは、「たまたまお店に来た」という一見客ではなく、何度もお店を利用してくれているリピート客について考えることです。

お客様があなたの会社(お店)から何度も買うのは、あなたの会社(お店)に対して高く評価しているからです。そして、あなたの会社(お店)には技術・仕組み・人材など高い評価につながる理由があるはずです。それが強みになります。

例えば・・・

例①の場合だと、あなたのお店のお寿司のネタが新鮮で美味しいというのがお客様の評価です。新鮮なネタを提供できる理由は、漁師と専売契約を結んでおり、毎日朝獲れのネタを仕入られる仕入ルートを持っていることであり、それがあなたのお店の強みです。

例②の場合だと、あなたの会社は対応が早いというのがお客様の評価です。早い対応ができる理由は、業務システムを導入しており、受付後スムーズに対応できる仕組みを持っていることであり、それがあなたの会社の強みです。

例③の場合だと、あなたのお店のスタッフは信頼できるというのがお客様の評価です。スタッフが信頼される理由は、専門の資格を持ったスタッフを揃えていることであり、それがあなたのお店の強みです。

 

「4.経営方針・目標と今後のプラン」について

ここまでの現状分析を踏まえて、今後の目指したい姿、経営方針、目標、取り組むべき課題、具体策について記載します。

将来目指す姿

ビジョンと言い換えても結構です。

「〇年後にはこんなお店にしたい」「〇年後には地域で一番店になりたい」「〇年後にはもっと多くの人に商品を知ってもらいたい」という感じで一言で表現すればよいと思います。

時間軸は1年後から5年後と幅広くとらえて大丈夫です。

経営方針・目標

経営方針というと会社全体のことを幅広く考える必要がありそうですが、ここでは営業戦略・販売戦略という意味合いで解釈していいと思います(持続化補助金は販売促進の補助金申請書なので)。

次のような観点で考えると方針が定まりやすいと思います。

はじめに考えるのは、対象顧客層と商品・サービスです。

  • お客様は今までと同じ購買層を狙うのか、それとも今までとは違う購買層を狙うのか
  • 商品・サービスは今まで販売してきたものを売るのか、それとも新しい商品・サービスを売るのか

対象顧客と商品・サービスの組み合わせで上の図のように4通りのパターンが考えらえます。

次に販売方法と価格について考えます。

  • 販売方法は今までと同じ販売方法で売るのか、それとも今までとは違う新しい販売方法で売るのか
  • 価格は今までと同価格で売るのか、それとも高く売るのか、安く売るのか

新しい販売方法というのは、例えば店頭で対面販売を行ってきたお店であれば、配達を行う、ネットで販売するといった販売方法などが考えられます。Amazonや楽天でネット販売を行ってきたネットショップであれば自社ECサイトを立ち上げるというのも新しい販売方法として良いでしょう。

ここに注意

これまでも述べてきたように、経営方針は「2.顧客ニーズと市場の動向」「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を踏まえたものである必要があります。踏まえたものであると審査員に認識してもらうためにも「〇〇〇という強みを生かして」や「〇〇〇という市場動向を踏まえて」といった文言を入れておきましょう。

取り組むべき課題と具体策

取り組むべき課題については、できればちゃんと書いたほうが良いです。しかし、うまく書くことが難しい場合は、具体策だけ書いてもOKだと思います。

上の図のように経営方針が「ネット販売に参入する」だった場合、取り組むべき課題として「ECサイトを構築すること」「サイトを更新できるIT人材を育成すること」などが考えられます。

「サイトを更新できるIT人材を育成すること」に取り組む場合の具体策として、例えば「ECサイト管理の研修を受講させる」という方法があり、課題と具体策が書き分けやすいです。

しかし、「ECサイトを構築する」というのは、掘り下げてもやっぱり「ECサイトを構築する」以外に適切な表現が見つからないので書き分けが難しいです。こういう場合は、下記のように書くと書きやすいです。

記入例

【具体的な取り組み策】

ネット販売に参入するために以下の取組みを行う。

  • ECサイトを構築する(課題と具体策をまとめて書く)
  • 従業員1名にECサイト管理の研修を受講させ、サイトを更新できるIT人材を育成する(課題と具体策を文章でつなげる)

それぞれの具体策については、実施時期と簡単な説明書きを加えてスケジュール感を出しましょう。

記入例

【スケジュール】

2020年7月 WEB制作会社とECサイトの仕様について打ち合わせ、契約
2020年9月 ECサイト完成
2020年10月 商品データ準備、従業員〇〇氏にECサイト管理に関する社外研修を受講させる、テスト運用開始
2020年11月 本運用開始

ここに注意

補助事業計画書で補助金申請する取組みについては、必ず具体策に含めてください。経営計画書に記載した具体策を対象経費として補助金申請に含めないのは構いませんが、補助金申請する経費については必ず経営計画書の中に含めるよう注意してください。

ここまでで経営計画書は完成です。

次のページでは補助事業計画書の書き方について解説していきます。

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