補助事業計画書の書き方
補助事業計画書は、①と②があり、それぞれ以下のような内容を書きます。
補助事業計画書①
- 補助事業の内容
- 業務効率化(生産性向上)の取組内容
- 補助事業の効果経営方針・目標と今後のプラン
- 事業承継の計画
補助事業計画書②
- 経費明細表
- 資金調達方法
補助事業の内容
まず、「補助事業で行う事業名」ということで、30文字以内でタイトルを書く必要があるのですが、タイトルはカッコいいタイトルをつける必要は全くありません。補助事業の内容を端的に表現できれいればそれでOKです。
タイトル例
- 〇〇〇(商品名)の販路開拓
- ECサイト構築による新たな顧客の囲い込み
- 店内改装によるおもてなしサービスの強化
審査の視点
次に補助事業の内容ですが、「審査の視点」を確認すると以下のように記されています。
押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 実現可能性があるか
- 経営計画書に書いた目標を達成するために必要かつ有効なものか
- 創意工夫がみられるかどうか
- ITを有効に活用しているか否か
実現可能性があるか
実現可能性がありそうかどうかは、正直いって読み手(審査員)の考え方次第です。それと何に対する実現可能性なのかも審査基準が曖昧です。
例えば、「ECサイトを構築して、1か月あたり50万円の売上アップを図る」という補助事業の場合、
- ECサイトをちゃんと立ち上げること(取組みに対する実現可能性)
- 1か月あたり50万円の売上アップを達成すること(補助事業の成果に対する実現可能性)
の2通りの解釈が可能です。
この例の場合は、①についてはWEB制作業者にお願いすれば簡単にできるので実現可能性は高いと思われます。しかし、ECサイトを立ち上げるだけで、果たして②を実現できるのかどうか疑問です。
もう一つ例をあげましょう。家族経営の小さなお店が「毎月、東京駅で商品PRイベントを行って、1か月あたり50万円の売上アップを図る」という補助事業だとどうでしょうか。
- 毎月、東京駅で商品PRイベントを行うこと(取組みに対する実現可能性)
- 1か月あたり50万円の売上アップを達成すること(補助事業の成果に対する実現可能性)
大企業であれば東京駅で毎月商品PRイベントを行うことは可能でしょうが、家族経営の小さなお店にそんなことができるでしょうか?
この例の場合は、①についても②についても実現可能性に疑問符が付きます。
私の見解としては、①、②ともに実現可能性を感じさせる内容とすべきだと考えています。
また、②の実現可能性をどう評価するのかも審査員によって判断が分かれるところです。例えば、上記の「ECサイトを構築して、1か月あたり50万円の売上アップを図る」という補助事業の場合、
ネット販売に詳しい審査員のAさんは、「ECサイトを立ち上げるだけでいきなり1か月50万円も売れるほどネット販売は甘くないよ」と考えるかもしれません。
ネット販売のことを知らない審査員のBさんは、「最近、ネット販売が流行ってるし、ECサイトを立ち上げたら1か月50万円は十分可能性あるだろう」と考えるかもしれません。
私の見解としては、審査員Aさんのような厳しい見方を想定しておくべきだと考えています。
では、実現可能性を高く評価してもらうためにはどうすればよいのでしょうか。2つの方法があります。
- 補助事業で得られる成果・効果を現実感のある内容にする(期待できる売上増加見込みを下げる)
- 期待する成果を獲得するために行う様々な創意工夫について詳しく説明する
1つ目の方法については、あまりにも成果・効果を小さくしてしまうと経営計画書に書いた目標達成に対するインパクトが小さくなってしまうので、「審査の視点」にある「地道な販路開拓を目指すものとして、補助事業計画は、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。」という評価項目がマイナスに作用するリスクがあります。したがって、適度なレベル感を維持したうえで現実感を持たせるというバランス感が大切です。
2つ目の方法については、「審査の視点」にある「補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか。」にもプラスに作用するのでおススメです。
経営計画書に書いた目標を達成するために必要かつ有効なものか